宇宙人の妹
実家に帰る度に妹が宇宙人になっていくように感じる。
一人暮らしを始めてからというもの、学生の頃のようにあまり長い時間新しいコンテンツを探すということができなくなってしまった。
また家族と離れているため、同じ時間に会話をしているわけでもない。
妹から勧められるほとんどの物が、私には全く分からないものばかりだ。学生でまだ同じ家に居た頃には、妹の宇宙語にもう少し通じていたのに。
兄弟だが特に共通点も同じ趣味もなく、妹とは最早血が繋がっているだけの他人と化してしまった。
私と妹を繋ぐのは、小さい頃の思い出話だけだ。
久しぶりに会う親戚や祖母が、昔の話ばかりするのは共通点がそこだけだからなのだろう。
身をもって知った。
小さい頃は仲の良かった叔母ですら、ここ数年は話題探しに苦労しているのを感じる。
最近はもう一方的に個人的に面白い物を紹介されるだけの話ばかりだ。
叔母からしても私は宇宙人だったのかもしれない。
こうして家族ですら宇宙人になっていくのかもしれない。